COLUMN
コラム「コーヒーの小引き出し」
コーヒーにまつわるあれこれ話をお届けします。
役立つ知識から気の抜けた話まで、コーヒー片手にどうぞ気軽にお楽しみください。
私たちの意識をちょっとだけお伝えして、読んだあなたをちょっとだけ刺激したい。 ツンツン
あなたのコーヒーの引き出しにそっとしまっておいてください。
役に立つかもしれないし立たないかもしれないけど、引き出しの数は多いほうが楽しい。
コーヒーの景色が変わってくる、かもよ。
*あくまでも実感を通した当店の見解のお話です。
お店の数だけ考え方があることを踏まえてお楽しみいただけますと幸いです。
今年も暑い夏がやって来ました。好むと好まざるとに関わらず。
キリッと冷たいアイスコーヒーが美味しい季節です。
アイスコーヒーの作り方と言えば・・・
たくさん作れるまろやかな水出し。
飲みたい時にササっと作れるアイスドリップ。
味わいはそれぞれの良さがあって、好みや状況に合わせてどちらも楽しめます。
その中で今回は、アイスドリップについての考察。
ちょっとした工夫で明日からのアイスドリップがより美味しくなる!
コツは何か?
結論から言うと、
「氷を入れたサーバーにコーヒーを落とすのではなく、
コーヒーを落としたサーバーに後から氷を入れる」
のです。
たったひとつ順番を変えるだけで、味の印象がガラリと変化します。
酸に丸みが生まれ、バランスの良い一体感のあるアイスコーヒーに仕上げることが出来るのです。
へ〜そうなのか、じゃあそうしよう!
・・・
私たちがこれだけで終わるはずありません 笑
なんで?って思った方に答えるのが、ある意味このコラムの意義です。
①サーバーに先に氷を入れてその上からドリップする場合と、
②ドリップコーヒーが出来上がってから後で氷を入れて冷やす場合で、
科学的に何が起きているか考えてみました。
まず、私たちの感じた味わいの違いです。
前者①は浅煎りなのにビターさを感じる、水っぽい、酸がツンツンする。
後者②は味の輪郭がありつつも酸に丸みがあり、質感も前者に比べて滑らかでまとまりがある。
仮説としては、
お湯によって抽出されるコーヒー成分には香りや味わいが閉じ込められたオイルが含まれているので、
ペーパードリップで淹れる場合、濾過するとはいえ、このオイルは抽出されます。
①は抽出された瞬間から氷に接することで、1投目の『蒸らし』で抽出された液体のオイルが冷やし固められてしまうのではないか。
(蒸らしによってせっかく溶け出したオイルが、またもや閉じこめられてしまうことに。)
そして、オイルが固まってしまうために逆に水っぽさが際立ち、味わいと質感に影響が出てしまうと考えます。
では①の問題点を解決するためにはどうしたらいいのか?
理系の方に聞くと、これにはタンパク質、脂質の「凝集」やら、タンパク質の「熱変性」が味わいに影響しているらしい。
ううぅ、難しい…
単純に、オイルが固まらへんようにしたらいいやんって話です。
考えられるのは氷よりも迅速に冷やすのがベスト。
液体窒素?ドライアイス?
家に液体窒素なんてあるわけない!
話がややこしくなってきたので、もっと簡単に。
百歩譲って、「なるべくオイルが固まらないように」なんて考えどうでしょう?
それなら現実的に出来るかもしれない。
そうして辿り着いたのが、②のホットで抽出したバランスをそのままに冷やす、という至極単純な考え。
結果を見れば手順ひとつの、簡単なことです。
でも一旦理論を考えて回り道をして辿り着いたからこそ、
引き出しが増える訳です。
そうして手と頭を動かして得た知識は応用が効きます。
コーヒーがほんの少し、でも心躍るほどに美味しくなるのです。
今年は暑い暑い夏ですが、冷たいコーヒーを飲みながら凌ぎましょう!
ちなみに余談ですが、こんな事も考えました。
思い切って、オイルが一番多く溶け込んだ一投目(蒸らし)だけを大事にとっておく。
そうして、冷やした後半の抽出液に加えるのです。ポイントは最後に加えるということ。
お料理で言う最後の香り付けと一緒。ごま油みたく、ふわっと香るはず。
そう言えばインスタントラーメンの香味油は、出来上がってから最後に加えるように、って袋に書いてありますよね。
これは科学的にも理にかなっていて、風味が保たれるのです。
興味のある方は自由研究を思い出して、試してくださいね。
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コロナをきっかけにリモートワークが当たり前となり、外出自粛の意識で家に居る時間が断然増え、コーヒーの消費量が増えました!という声をよく聞きます。
それに伴って耳にするのが、やっぱりどうもうまく淹れられない、せっかく時間もあるし上達したい、というご要望です。
多分みなさんのお悩みは、浅煎りの豆は味が出ない(もしくはキツ過ぎる)、浅煎りは難しい、というものだと思います。 お店でもレシピをお配りしているのですが、本当にこれで再現出来るのか、一から見直してみました。
今までの4投レシピは繊細な味を表現出来るのですが、気配るポイントが多いのも事実。 もっとシンプルに、再現性を高く、を突き詰めました。
それで完成したのが、3投レシピ!
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スケールとタイマーを用意します
レシピ(マグカップ1杯分ぐらい)
・コーヒー豆12g ・お湯190g(93℃)
①ペーパーをドリッパーにセットし、湯通しする
②挽いた豆を入れて、表面を軽くならす
③ドリッパーをセットしたサーバーごと、スケールの上にのせる
④タイマースタート、お湯を30g 注ぎ、蒸らす
⑤30秒経過したら、60gまでお湯を注ぐ
⑥1分秒経過したら、190gまでお湯を注ぐ
⑦ドリッパーの液体が全てサーバーに落ち切ったら完成
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常日頃、”蒸らし”(1投目)が大事!とスタッフにも卸先トレーニングでも口を酸っぱくして説いているわけですが、そこで味の骨格が決まってしまうからです。
それゆえお湯を注ぐ瞬間なんか緊張で手が震えますよね。
蒸らしが成功しなかった時のショックは計り知れません。
そんなプレッシャーを少しでも軽減する方法は無いだろうか、と考え、蒸らしを二回に分ける”ダブル蒸らし”という斬新かつ合理的な方法を編み出しました。
二回に分けることで、お湯の通りが柔らかくなり、少々のブレも気になりません。
結果的に、とてもシンプルなレシピが出来上がりました。
リラックスして、誰でも、いつでも、どこでも、美味しいコーヒーを楽しんでください。
*豆をご購入のお客様にはレシピをお付けしています。ぜひ参考にしてください。
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コロナをきっかけにリモートワークが当たり前となり、外出自粛の意識で家に居る時間が断然増え、コーヒーの消費量が増えました!という声をよく聞きます。
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特別な道具が無くても簡単にコーヒーが淹れられる、ドリップバッグはとても便利です。今回はさらに美味しくなる、ちょっとした”コツ”をお教えします。
[美味しい淹れ方]
・湯温:95℃ぐらい
・ドリップバッグをカップにセットして、ペーパーの上まで湯を注ぎ入れ、落ち切ったらまた上まで注ぎ入れる。これを合計3回繰り返し、全部落ち切ったら完成。
・2分〜3分以内に落ち切るのが理想
・出来上がりのコーヒーの目安は150g〜180gぐらい
みなさま、お気付きでしょうか。
実はこれ、パッケージの裏に書いてある通りです。(!)
検証好きな私たちは、散々いろんな方法を試しました。
わざわざドリッパーに移してみたり、ハンドドリップと同じように抽出メソッドを使って時間やグラムを量ってみたり。
それで辿り着いたのがこれ。
パッケージに書いてあるのを見つけた時の驚愕!
しかもドリップケトルで注ぐより、ホットウォーターサーバーの蛇口から直接ジャージャー注いだのが美味しかった。 ご家庭ならやかんやティファールで十分です。
つまり、あまり気を遣う必要は無いのです。
よう出来てはる。信頼しよ。
まあ、これではあんまりなので、ちょっとだけ気になるところを改善する方法をお伝えします。
ドリップバッグのバッグは布製なので、最初は落ちるのが早過ぎて後半は目が詰まってきてゆっくりになります。 最初をもう少しゆっくりにして蒸らしをかけたい。
どうしたものか。
ちょっと混ぜたいな。
でもスプーン使うの面倒くさいな。
もっと簡単にいきたいな。
そこでひらめいたのが、ええのんあるやん!
ドリップバッグをピリピリと開けた切れっ端!
1投目のあと、これでちょっちょと混ぜるのです。
それだけ。
ぐっと味が良くなりました。
これなら使う道具を増やすことなく、レベルアップです!
家でもオフィスでももちろんですが、アウトドアを全力でおすすめします。
保温ポットに熱々のお湯を入れて、ドリップバッグと気に入りのカップを持って。
ちょっとそこの川辺で、ちょっと小高い山を登って。わざわざ遠出しなくても、日常の延長で十分リフレッシュ出来ます。
もしちょっと早起き出来て、こんな清々しい空気の中に行けたらとても贅沢な時間になるでしょう。春の気配にぜひ誘われてみてください。
*ドリップバッグは店頭・通販どちらでもお買い求めいただけます。贈答用にギフトボックスもご用意しております。
・ドリップバッグ エチオピア イルガチェフェ ナチュラル
・ドリップバッグ ブラジル
・ドリップバッグ オペラブレンド
・オンラインショップ ギフト一覧
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特別な道具が無くても簡単にコーヒーが淹れられる、ドリップバッグはとても便利です。今回はさらに美味しくなる、ちょっとした”コツ”をお教えします。
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ペーパーフィルターの白と茶色。
普段あなたはどちらをお使いですか?
なんとなくで選んでいませんか?
今日はふたつの違いをお話します。
明日から意志を持って選べるハズ。
先に率直に言ってしまいますが、白がおすすめです。
説明しましょう。
白も茶色も材質は同じで木材から得たパルプ100%ですが、作り方が違います。
[白]酸素漂白済仕様 [茶色]未晒し仕様
『漂白』と聞いて何やらよからぬイメージを抱いた、あなた。まあお読みなされ。
そもそも何のために酸素漂白をするかと言うと、木材に含まれる色や臭いの成分、リグニンを取り除くためです。 炭酸ナトリウムを使用して、ナトリウム中の酸素とリグニンを結合させ、リグニンを”水”と”水溶性の物質”に分解します。そしてそれをざーーっと洗い流すわけです。もちろん人体には無害。ティッシュペーパーなども同じ方法で漂白されています。
一方、未晒しは何の工程も経ていないので、木材の色や臭いもそのままです。
未漂白な分、紙(つまりは木材)本来の臭いや成分が残っているため、当然コーヒーの味にも影響が出ます。 試しにペーパーだけ湯通ししたお湯を飲んでみてください。濡れた木のような、段ボールのような臭いを感じることでしょう。 これがコーヒーにプラスされるのですから…。
実際にスタッフは様々な検証をして、浅煎りはもちろん深煎りでもやはり紙臭さは気になる、という結論に至りました。気になっちゃうともう、どうにも気になるもんです。
コーヒーの味にこだわるなら断然、白がおすすめです!
*お店では白も茶色もお買い求めいただけます。店頭には並べておりませんので、必要な時にスタッフにお伝えください。
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ペーパーフィルターの白と茶色。